クールな同期と熱愛はじめ
今朝、いったんチェックアウトしたときに、桜木くんが立て替えてくれたのだ。
桜木くんは「わかった」と頷き、私が預かっていたバッグを受け取った。
「設計の学校に通っているんだってね」
桜木くんが虚を突かれたような顔をしたので、「間宮さんに聞いたの」と付け加える。
「オアシスに行ったのか」
「うん。すごいね、桜木くん」
「……仁志のやつ余計なことを」
ブツブツと言ってから、「カッコわりー」と頭を掻いた。
「どうしてカッコ悪いの? 仕事が終わってから学校なんて偉いよ」
「“偉い”ってなんだよ」
「あ、だよね。ごめん、なんかいい言葉が見つからなくて」
子供への褒め言葉みたいだったと、言われて気づいた。
「努力は人に見せるものじゃない」