クールな同期と熱愛はじめ
恥ずかしそうにする桜木くんがおかしくてつい笑うと、目を鋭くさせて私を睨んだ。
仕方なしに口をつぐむ。
「そういえば、ご飯は食べたの?」
「あー、いや。なにか適当につまむよ」
「もしよかったらなんだけど……」
そう言い置き、キッチンから皿を持ってきた。
中身はオムライス。多めに作ってしまったから、そのおすそ分けだ。
「残り物で作ったんだけど……」
あまり期待されても困るので、ひと言断りを入れる。
おいしくない場合の言い訳だ。
「ネットで?」
「え?」
「お茶漬けのときはネットでレシピを見たって」
「――あれはあのときだけ。オムライスくらい作れるってば」
唇を突き出した。
そこまで料理をしない女ではない。
桜木くんの中で、いったい私はどんなイメージなんだろうか。
なんだかとても不安になってきた。
「いらないならいいけど」
引っ込めようとした皿に彼の手が伸びる。
「いや、せっかくだから食べてやろう」
「ちょっと、なんで上から目線なの」
桜木くんはフフンと鼻を鳴らし、オムライスとバッグを持って自分の部屋へと引き上げた。