クールな同期と熱愛はじめ

◇◇◇

翌朝、出勤してすぐに桜木くんと越川さんと私の三人は、岸本部長に呼び出された。
今日は例のプラン設計の締切日だ。
その確認かもしれない。

設計部に隣接する立ちミーティングスペースで、丸テーブルを囲んだ。


「みんな、今日期限の設計の進捗状況は?」


部長に聞かれて、三人それぞれが「完成しています」と答える。
私のものが完成したのは、昨日の夕方。
これから部長に提出しようと思っていたところだ。


「それじゃ、午後一時でも大丈夫だな」


なんのことかわからないまま部長の言葉を待つ。


「実は、設計者の話を直接聞きたいと、施主から連絡があったんだ」

「え? 直接ですか?」


越川さんが私たちを代表して聞き返した。
プラン設計の段階で、施主と設計者が会うことはない。その後の実施設計のときに初めて、顔合わせを行うのだ。


「三人それぞれの話を聞いた上で選びたいそうだ」

「そうなんですか」


施主がそう言うのならば、そうするほかないだろう。
午後一時のプレゼンに向けて、私たちは自分のデスクへと戻った。

どちらにしても、私は私のプランをお客様に説明するまで。
むしろ物を言わない紙だけより、直接話を聞いてもらう方が私の意図が伝わるかもしれない。
そう思うと、俄然張り切ってしまうのだった。

< 158 / 252 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop