クールな同期と熱愛はじめ
◇◇◇
翌朝、出勤してすぐに桜木くんと越川さんと私の三人は、岸本部長に呼び出された。
今日は例のプラン設計の締切日だ。
その確認かもしれない。
設計部に隣接する立ちミーティングスペースで、丸テーブルを囲んだ。
「みんな、今日期限の設計の進捗状況は?」
部長に聞かれて、三人それぞれが「完成しています」と答える。
私のものが完成したのは、昨日の夕方。
これから部長に提出しようと思っていたところだ。
「それじゃ、午後一時でも大丈夫だな」
なんのことかわからないまま部長の言葉を待つ。
「実は、設計者の話を直接聞きたいと、施主から連絡があったんだ」
「え? 直接ですか?」
越川さんが私たちを代表して聞き返した。
プラン設計の段階で、施主と設計者が会うことはない。その後の実施設計のときに初めて、顔合わせを行うのだ。
「三人それぞれの話を聞いた上で選びたいそうだ」
「そうなんですか」
施主がそう言うのならば、そうするほかないだろう。
午後一時のプレゼンに向けて、私たちは自分のデスクへと戻った。
どちらにしても、私は私のプランをお客様に説明するまで。
むしろ物を言わない紙だけより、直接話を聞いてもらう方が私の意図が伝わるかもしれない。
そう思うと、俄然張り切ってしまうのだった。