クールな同期と熱愛はじめ

咄嗟に竹中部長の顔を見た。
施主とのやり取りは会社の電話でも不自由をしていなかったので、判断に困ったのだ。
会社から支給されているスマホはあるけれど、主に取引先との連絡用に使っている。

とはいえ、頑なに拒否するのもおかしいだろう。
部長も『教えて差し上げなさい』といった表情だった。


「こちらが番号です」


自分の名刺の裏にナンバーを記載し、それを改めて高梨さんへ渡した。


「どうもありがとう。では、失礼いたします」


四人で頭を下げ、高梨さんを見送った。

そこでようやく大きく息を吐く。
部長は「やったな、宇佐美」と私の肩をトンと軽く叩いた。


「はい、ありがとうございます」


満面の笑みになる。
越川さんからは「おめでとう」と一緒に拍手を、桜木くんからは肘鉄がお見舞いされた。

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