クールな同期と熱愛はじめ
「まさか宇佐美に負けるとは思わなかったよ」
「私もなかなかでしょ?」
特に今回は多少なりとも自信があったから、なおさら嬉しい。
自分の力を出し切った感じだ。
でも、それを出せたのは桜木くんのアドバイスがあったからでもある。
「桜木くんのおかげだよ。ありがと」
お礼を言うと、部長と越川さんに「ふたりの間になにか闇取り引きでもあったのか」なんてからかわれてしまった。
笑いながら応接室を出ていくふたりに続こうとすると、桜木くんが私を呼び止めた。
「昨日のオムライス、まあまあうまかったぞ」
「まあまあってなによ」
目が笑っているし、そういう皮肉にも、この頃はずいぶんと慣れたけど。
桜木くんは鼻の下をこすりながら、「サンキュ」と小さく言ったのだった。