クールな同期と熱愛はじめ
そのとき、サービスワゴンが到着し、スイートルームのチャイムを鳴らした。
ドアが開かれ、ホテルのスタッフを招き入れた後、高梨さんが顔を覗かせる。
「悠里さん、料理が着いたよ」
「あ、はい!」
慌てて高梨さんへ返し、胡桃に「ごめん、行かなきゃ」と告げて電話を切った。
リビングへ入ると、ホテルのスタッフがテーブルにイタリア料理を並べているところだった。
大きなテーブルにも並べきらないくらいだ。
スタッフが部屋から出て行くと、高梨さんは椅子を引いてくれた。
戸惑いつつ、そこに腰を下ろす。
こうなったら早く食べて、打ち合わせも超特急で切り上げよう。
「料理、なにかほかに食べたいものがあったら言って」
「いえ! これだけあれば、もう十分です」
今の段階ですら、食べきるのも困難だ。
「いっぺんにコース料理を運んでもらっちゃったから、順番とか気にしないで好きな物から食べて。ラザニアとかは熱いうちの方がいいかもしれない」