クールな同期と熱愛はじめ
「では、始めてもよろしいでしょうか」
まだ完全ではない設計図を広げる。
「高梨さんの方で確認したいことがあるとのお話でしたが、どのような点でしょうか」
極力彼の方を見ずに設計図だけに視線を注ぐ。
「この階段とスロープなんだけど、いくらスロープでも階段との組み合わせにすると角度が急になるんじゃないかと思うんだよね」
階段を指差しながら、高梨さんの体が私へとさらに近づく。
自然とそうなってしまうのか、それとも故意なのか。そのあたりがはっきりと掴めなくて、毅然とした態度を取れない。
相手が施主ということもあって、弱い立場の私では強気に出ることに限界がある。
さり気なく離れても、高梨さんはすぐに体を寄せてきた。
「現時点で二十度としていますが、もしも気になるようでしたら、踊り場を設けて折り返し階段として距離を稼ぐようにしましょうか。そうすれば、もう少し斜度を緩やかにできます」
「そうだね。そうしてもらおうかな」