クールな同期と熱愛はじめ
「はい、かしこまりました」
設計図に手書きで修正を入れようとペンケースに手を伸ばしたときだった。
その手に、高梨さんの手が重ねられたのだ。
驚いて反射的に引っ込めようとしたところを強く握られてしまった。
咄嗟に見た彼の顔が予想以上に近い。
さっきまで穏やかに思えた目は、射るように強いものへと変わっていた。
「悠里さん」
至近距離で彼が私の名前を囁く。
「は、はい。なんでしょうか」
この状況を誤魔化してしまいたくて、そぐわないような明るい声で言ってみた。
ところがそんな小細工で高梨さんは惑わされないようだ。
目が泳ぐこともなければ、私の手を解放することもない。
試しに手を動かしてみたら、返ってぐいと引き戻され、その拍子に高梨さんに抱きしめられる格好になってしまった。
「――あの!」
空いていた手で高梨さんの胸を押しやる。