クールな同期と熱愛はじめ
私から風邪が移ったとき、そのお詫びにおごらせようとしていたのは、口先だけのことだった。実際には私がごちそうしてもらってしまった。
今回の件も、自分ひとりで罪を被ろうとして。
私からの電話に出ないのも、私に気を遣わせたくないからなのかもしれない。
「……行く」
「え?」
「私、キャンプに行く」
前を真っ直ぐに見て言った。
「ちょっと悠里ちゃん、そんな怖い顔して言わないでよー」
間宮さんがおどけて笑う。
そう言われて、顔が強張っていたことに気づいた。
「……ごめんなさい。行きます。行かせてください」
口角を無理やり上げて笑ってみせると、隣で胡桃も「私も行く―」と右手を上げた。
「よっしゃ。じゃあ決まり! いろんな手配は俺に任せて!」
頼もしいひと言で、その話はそこで終わりとなった。