クールな同期と熱愛はじめ
桜木くんに汗を掻いた缶ビールを一本手渡し、自分の分のプルタブを開ける。
冷え具合は今ひとつだったけれど、少し寒いと感じるくらいの室温には十分だった。
「桜木くん、この前は本当にありがとう」
「……しつこいぞ」
桜木くんがビールに口を付ける直前にじろっと睨む。
「お礼を言ったのは初めてだったと思うよ」
「そうか?」
彼がとぼける。
「それと、八つ当たりみたいなことをしてごめんなさい」
助けてもらっておいて、『私が選ばれたからって、そんな言い方ないじゃない!』なんて、今思い返しても恥ずかしい。
「俺は、宇佐美が選ばれて当然と思った」
「だからそれは、高梨さんが――」
「いや、あいつが宇佐美をどうこうしようとしたからじゃなくて。あの設計は、素直にいいものだと思ったんだ」