クールな同期と熱愛はじめ

ゆっくり近づいてくる彼の顔。
唇が、あと少しで触れる。
それを避ける気は全然なかった。

瞼を閉じると同時に唇が重なる。
軽くついばむように触れては離れる。反応を確かめるような優しいキスだった。
私が桜木くんの背中に腕を回すと、それを合図にしたかのように口づけが深くなる。

頭の中は真っ白だった。
桜木くんとキスをしている。その事実だけしかない。

不意に桜木くんが私を抱き上げた。
驚きに離した唇は、吸い寄せられたように再び重なる。彼は私を抱き上げたまま器用にキスを続けた。

リビングに続く寝室に入り、彼が私をベッドにそっと下ろす。
ベッドに両膝を突いた状態で、桜木くんは着ているものを脱いだ。
露わになった上半身に、月なのか窓の外からの薄明かりが差し込む。
その素肌に触れようと伸ばした手は、彼の手に絡め取られた。

座っていた私の腰を引き寄せ、パジャマのボタンを外していく。ボタンがひとつ外されるごとに鼓動が高鳴る。
パジャマの上着が肩からスルリと落ちた。

しっとりとした彼の目に見つめられ、心拍数が異常なまでに上がっていく。
堪えきれなくなり、自分から彼に唇を重ねた。
素肌に這う彼の手が熱い。
私の体も熱に浮かされたように痺れる。

キスを交わしながら、ゆっくりと体を倒される。


「悠里……」


宇佐美でもウサコウでもない。
初めて名前を呼ばれて、それだけで胸の奥が熱くなった。

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