クールな同期と熱愛はじめ
「ここかなー?」
そう言いながら扉を開けた間宮さんは、次の瞬間には大きく目を開いたまま固まってしまった。
それも当然だろう。桜木くんと私が、ひとつのベッドで寝ていたのだから。
布団から覗かせている私たちの肩を見れば、裸でいることも想像がつく。
「間宮さん、どうしたのー?」
胡桃も一緒だったようだ。彼女が間宮さんの後ろから顔を出す。
そして、「きゃああああ」と言いながら顔を両手で覆った。見てはいけないものを見てしまったというところか。
「そ、そ、そういうことだったのかー! なんだよぉ、それならそうと電話一本くれよー! そうすれば急いで迎えになんか来なかったのにさぁ。ふたりがこんなに早く“アチチのチ”になるなんてビックリするじゃないかぁ」
間宮さんは目を白黒させていた。
その隣で胡桃が、指の隙間から私たちを好奇の目をして見る。
「……ど、どうも」
さすがの桜木くんもこれにはなにも返せず、ひと言そう言っただけだった。
帰りの車の中でも、私たちは間宮さんと胡桃にひたすらからかわれ続け、最後には桜木くんが「いい加減にしろ!」と一喝することでようやく収まった。
病院に運び込まれたフランチェスコさんは幸い大事に至らず、すっかり元気を取り戻したということだった。