クールな同期と熱愛はじめ

◇◇◇

桜木くんが自宅待機となって十日が過ぎた。
部長によると、高梨さんとの話し合いも平行線のまま。警察に被害届がいっていないことだけが、ただひとつの救いだった。

仕事が終わり、私は桜木くんの部屋へ訪れていた。
彼が焼いてくれたお好み焼きとビールが、今夜の夕食だ。


「うーん、このぶた玉、おいしい!」

「……いか玉だ」


ムッとして桜木くんが言う。


「あ、そうなの? どっちにしてもおいしい。桜木くん、ほんと料理上手だよね」

「調子いいヤツ」


彼はフンと鼻を鳴らした。
ふと、部屋の隅にある段ボールに目が留まる。


「あれ、どうしたの?」


いくつか畳まれた状態で置いてあったのだ。


「いい機会だから、部屋の片づけ」

< 222 / 252 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop