クールな同期と熱愛はじめ
◇◇◇
桜木くんが自宅待機となって十日が過ぎた。
部長によると、高梨さんとの話し合いも平行線のまま。警察に被害届がいっていないことだけが、ただひとつの救いだった。
仕事が終わり、私は桜木くんの部屋へ訪れていた。
彼が焼いてくれたお好み焼きとビールが、今夜の夕食だ。
「うーん、このぶた玉、おいしい!」
「……いか玉だ」
ムッとして桜木くんが言う。
「あ、そうなの? どっちにしてもおいしい。桜木くん、ほんと料理上手だよね」
「調子いいヤツ」
彼はフンと鼻を鳴らした。
ふと、部屋の隅にある段ボールに目が留まる。
「あれ、どうしたの?」
いくつか畳まれた状態で置いてあったのだ。
「いい機会だから、部屋の片づけ」