クールな同期と熱愛はじめ

◇◇◇

「ちょっと間宮さんってば、ひどい!」


その夜、オアシスへ行った私の最初のひと言は、間宮さんに対する不平だった。

幸いにも、お客は誰もいない。
間宮さんは闇討ちにでも遭ったかのような顔で、後ろの壁に背中を突いた。


「な、なんだよ、藪から棒だなぁ、悠里ちゃん」


そう言った直後に、私のあとから店に入った桜木くんを見て、「つ、司じゃないか。なんだよ、今までどこに行っていたんだよ」と一本調子で言う。


「もうそんな演技は必要ないから。全部、桜木くんから聞きました」


腰に両手を当てて、カウンター越しに間宮さんへと詰め寄った。


「な、なんだよー。司の裏切り者―!」


桜木くんは笑いながら私の後ろで「悪い」と謝った。

なんと間宮さんは、桜木くんの居場所を知っていたのだ。

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