クールな同期と熱愛はじめ
それどころか、逐一連絡を取り合い、私の近況まで報告していたらしい。
ついさっき桜木くんと待ち合わせた駅からここまでの道のりで、『仕事、順調みたいだな』なんて桜木くんが言うものだから、『どうして知ってるの!?』となったわけだ。
桜木くんは、あっさりと間宮さんを売った。
「でも、俺の演技力もなかなかだっただろう? 悠里ちゃん」
「ほんと騙された」
「俳優にでも転向しようかな」
間宮さんがポーズをつけて大真面目に言う。
全部顔に出ちゃうような間宮さんが、こんなにも嘘が上手だったなんて思いもしなかった。
私と一緒になって『司、どうしてるかなぁ』なんて、詐欺だ、詐欺。本当は全部知っていたくせに。
「許してくれよぉ。司から悠里ちゃんのためだって強く口止めされてたんだ。ふたりの将来を思って、俺も心を鬼にしてたんだよ」
そう言われてしまえば、私もそれ以上、間宮さんを責められない。「ありがとう」と言うよりほかになかった。
ちなみに桜木くんは、昼間、私があの建築現場へ行くことを百パーセントの確率で予測していたらしく、私がすんなり中へ入れるように守衛に名前を告げてあったそうだ。