クールな同期と熱愛はじめ
「式典は何時からだっけ?」
「九時」
うわ……。相当やばい。
今すぐ家を出なければ本当に遅刻しちゃう。
今日は司が設計した、例の劇場の完成披露式典が開かれるのだ。
司が私の元に戻ってきてから、半年が過ぎていた。
彼の宣言どおり、あれから私たちはかなり仲良くやっている。
「ごめんね」
「別に悠里が悪いわけじゃないだろ」
そう言われると、ますます申し訳なくなる。
コーヒーすら飲んでいる余裕はない。
司は大急ぎで身支度を整えると、ネクタイを結びながら玄関へと向かった。
「いってらっしゃい」
「悠里も来るんだろう?」
肩ごしに振り返りながら司が言う。
「うん。行く」
司の晴れの舞台。
それを見届けないわけにはいかない。