クールな同期と熱愛はじめ

「式典は何時からだっけ?」

「九時」


うわ……。相当やばい。
今すぐ家を出なければ本当に遅刻しちゃう。

今日は司が設計した、例の劇場の完成披露式典が開かれるのだ。

司が私の元に戻ってきてから、半年が過ぎていた。
彼の宣言どおり、あれから私たちはかなり仲良くやっている。


「ごめんね」

「別に悠里が悪いわけじゃないだろ」


そう言われると、ますます申し訳なくなる。
コーヒーすら飲んでいる余裕はない。
司は大急ぎで身支度を整えると、ネクタイを結びながら玄関へと向かった。


「いってらっしゃい」

「悠里も来るんだろう?」


肩ごしに振り返りながら司が言う。


「うん。行く」


司の晴れの舞台。
それを見届けないわけにはいかない。

< 251 / 252 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop