クールな同期と熱愛はじめ
「インドカレーが嫌なら、お好み焼きにする? それか、ピザも窯が温まった頃だから作れるけど」
まさしく“多国籍料理”だ。インドに日本にイタリア。ほかにはどんな料理が出せるんだろうかと、ちょっとした興味も湧く。
「せっかくだからアジャンタさんに作ってもらおうかな」
胡桃が答えると、私もそれにうなずいた。
「オッケーオッケー。それじゃ勝手に俺のおすすめカレーにしちゃうけど、それでいいかな?」
「はい、おまかせします」
胡桃が笑顔で答えると、間宮さんは顔をふにゃふにゃにした。完全に胡桃にノックアウトされてしまったようだ。
胡桃は胡桃で「本当にミッチーに似てるー」と、間宮さんをずっと目で追いかけていた。
“ミッチー”というのが、昔飼っていた犬の名前らしい。
漂ってくる香辛料の匂いに胃袋を刺激されながら、オレンジフィズを飲んで待っていると、店のドアが開けられる気配がした。
間宮さんが手を上げて入口を見る。