クールな同期と熱愛はじめ
お粥を作ってもらったくせに、ついかわいげのないことを思ってしまう。
「それ……」
食べたいんだけど……。
訴えるような目で取り上げられた茶碗を見つめる。
すると桜木くんは突然立ち上がった。
――えっ、ちょっと! まさかのおあずけ!? 匂いだけで撤収なんてひどい!
思わず彼の腰あたりをむんずと掴む。自分でも、高熱だとは思えない俊敏な動きだった。
「なにすんだよ、こぼすだろ」
桜木くんは眉根を寄せて私を見下ろした。
「だって、どうして持っていっちゃうの?」
私は朝からなにも食べていない。匂いじゃ、お腹は満たされないのだ。
「冷ましてくるんだろうが」
じろっと睨み下ろされた。