クールな同期と熱愛はじめ
そこからマスクをした彼が顔を覗かせる。
「お見舞いのお返し」
スーパーの袋を持ち上げて見せた。
桜木くんがドアを開けてくれたので、そこから中へと入る。玄関から見たところ、私の部屋と同じ造りだ。
「おじゃまします」と上がり、桜木くんのあとに続いてダイニングへと入る。
彼はそこで急に咳き込んだ。背中を丸めてゴホゴホとしているのを見かねて、そっと手を伸ばす。躊躇いながらも背中をさすった。
「大丈夫?」
「……宇佐美の風邪、かなり性質が悪いぞ」
ひどくかすれた声だ。
「やっぱり私から移ったの?」
至近距離でジロッと睨まれた。体調を崩しているとは思えない凄みだった。
「……ごめんなさい」
謝る以外にない。