クールな同期と熱愛はじめ
普段から料理のできる女アピールをするつもりのはずが、スマホでせこせこレシピ検索なんてカッコ悪いにもほどがある。
今の場面を“バックスペース”で消してしまいたい。
「悪かったな」
「……え?」
女子力の低さを攻撃されると思っていただけに、彼の意外な言葉に面食らった。しかも、微かではあるが優しい笑みまで浮かべている。
これはきっと、高熱に浮かされた副作用に違いない。もしくは、具合が悪くて気力が衰えている。
いつもの桜木くんだったら、『そんなんで、よく女子力アピールなんかできるな』と言われただろう。
動揺してしまい、「あ、いえ、こちらこそ……」なんて変な返答になってしまった。
「悪いついでに、もうひとつ頼みたいことがある」
「え? なに? 私にできることならやるけど」
桜木くんが珍しく謝ったりするものだから、私もつい下手に出る。
「クローゼットにあるパジャマを取ってくれ」