凄腕救急医は離婚予定の契約妻を湧き立つ情熱愛で離さない
 翌朝、美鶴は起きるともうすでに透は出勤した後だった。ひとり、広いリビングでコーヒーを淹れる。それを飲み終えると着替えをし、購入したベッドカバーを付け替えをした。それだけで部屋の雰囲気ががらりと変わっていく。
「少し子供っぽかったかな」
 ホテルライクなリネン類が味気なく感じて、チェック柄を選んだ。かわいらしさはあるがどこか野暮ったい印象になってしまった。
それを写真に収め、SNSにアップする。昨日投稿した写真にはたくさんのコメントが付いていた。高校の同級生がほとんどで皆一様に驚いているようだった。
「ひなちゃんだ。りりちゃんも……コメントくれたの初めて」
お洒落な投稿にコメントする側だった自分が話題の中心にいる。くすぐったくて不思議な感じがした。美鶴はそれぞれに返信した。結婚したことは公表せず、東京に引っ越してきたことを伝えると今度上京組で会うことになり美鶴は浮かれていた。
昼になり、美鶴は着替えてメイクをすると街へ出かけた。電車の乗り換えには苦労したがどうにか目的地に着くことができた。ランチを食べ、ウインドショッピングをしてカフェでお茶を飲みながら透を待った。けれど、待ち合わせ時間になって現れたのは秘書の冴木だった。
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