クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
「ワン!」
「こら、チョコ待て!」
飼い主が久しぶりに早く帰って来たからか、チョコはちぎれんばかりに尻尾を振って葛城さんにまとわりつく。着替えてダイニングルームのソファに座る彼の膝に、チョコはちゃっかり居座った。
「チョコ、また少し重くなったか?」
「あ、はい。今朝計ってみたら2キロ越えてましたよ」
「そうか。ずいぶん大きくなったものだな」
2リットルのペットボトルとほぼ同じ重さだから、ずっしりと来るのも納得。
それより、遠慮なく葛城さんに甘えられるチョコがちょっとだけ羨ましい。同じペットでも種族の違いでこれだけ差が出るんだなあ……と少々落ち込みながら、キッチンに立つ。
葛城さんは帰宅したらいつもならまっすぐに自室に入るけれど、今日はなぜかダイニングで経済新聞を広げてる。その姿もカッコいいな……なんて見とれてるのに気づいて、慌ててふきこぼれた鍋の火力を小さくする。
私は今、夕食の準備中。だけど、今まで葛城さんはどんなに体調が悪くても、私が渡した食べ物は果物以外口にしなかった。
あの、気管支炎の時のお粥も。だから、私はしばらくお粥三昧になっていたのだけど。
食べないとわかってはいても、目の前にいるなら用意しないと……。今さら「食べますか?」なんて訊くのも変だし。彼がどんなつもりかは解らないけれど、ひとまず二人分の夕食を準備しておいた。