クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~



かなり時間は掛かったし感想もなかったけれど、葛城さんは確かに私のご飯を食べ終えた。

そして自分の食器を運びシンクで洗おうとするから、私は慌ててそれを止めた。


「あ、あの……私が洗います! だから葛城さんは休んでいてください」

「だが、おまえも働いているだろう。共働きなら家事は半々が当然じゃないのか?」

「そ、それは……」


葛城さんの言い分はもっともかもしれないけれど、それは結婚した夫婦の話。他人で居候に過ぎない私には家主の彼にこんなことまでさせるつもりはない。


「と、とにかく! 私がします。食器を割られたら大変ですから」


何だかんだ言い訳しながら葛城さんから食器を奪うと、彼は不満そうに文句を言うけれど全てスルーしておいた。


すると、拗ねたらしい彼はダイニングルームから出てく。もしかして傷つけちゃったかな? と気になって、どうやってフォローしようか悩むうちに食器洗いが終わる。


(明日は土曜日だから朝ごはんはどうしよう? 葛城さんに美味しいご飯を食べさせたいな)
と冷蔵庫の中身とにらめっこしていると、いきなり名前を呼ばれた。


「夕夏」

「はいはい、ちょっと待っててくださいね……えっと。ワカメがちょっとだからお味噌汁に入れようかな……豆腐はあるし。玉子焼きは作れる……えっ?」


鈍い私は、呼ばれて数十秒経ってからようやく顔を上げて後ろを振り返った。


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