クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
「いや……開けていいか?」
「は……はい」
気に入ってもらえるかどうかなんてわからなくて、どきどきしながら包装紙を開ける葛城さんを見守った。
そして、出てきたものを見た彼は目を見開く。
「これは?」
「え、エアプランツです。土が要らない植物で、あまり水をやらなくていいと……」
「そうでなくて、なぜこれを選んだ?」
眉間にシワを寄せた葛城さんを見て、やはり余計な気遣いだったかと身体が震えた。
「ご、ごめんなさい……あの……本棚に……その……恐竜の映画のDVDと本があったので……もしかしたらお好きかと……」
しどろもどろに理由を話してる最中、情けなくて涙が出てきた。彼に嫌なものを贈ってしまった自分に。
だけど……
気がつけば、彼は椅子に座った私を後ろから抱きしめてくれた。
「すまない……誤解させたな。驚いただけで、嫌どころか嬉しかったんだ。オレが唯一楽しかった小学生の思い出が……あの映画を観に行ってガチャを回せたことだったから。ティラノサウルスは今でも一番好きな動物だ」
頭に軽く口づけた葛城さんが離れると、ひんやりした感触を首もとに感じて。何かと見れば――私の首にキラキラと輝くダイヤモンドのネックレスが飾られてた。
「おまえが逃げないように、縛りつける首輪だ……オレの側からずっと離れるな」
「……っ、はい……」
まさか、言われるとは思わなかった言葉を貰えて。胸が一杯になり、ただ何度も頷くしかできなくて。今までで一番しあわせな涙を、彼に優しく抱かれながら流した。