クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
「そんなに急いで食うなよ、ったく。ほれ、水分も取れ」
「お! 限定のジャスミンティーじゃん。よくやった、圭介のクセに」
「ひと言多いっつーの! ほら、由利。何個か買ったから腹が空いたら食えよ」
「ありがと~」
和気あいあいとした雰囲気の二人に首を傾げていると……後ろから加藤さんの声が聞こえた。
「おやおや? お二人さん、いつの間に名前呼びするようになったのかな~」
加藤さんの言葉に、私は違和感の正体を突き止めた気がした。
たしか、松ノ内の辺りまで二人は普通に名字呼びをしてた。だけど、近ごろ何だか以前より距離が近いというか。かなり親しげだったんだよね。
「もしかするとお二人さん、クリスマスをきっかけに付き合っちゃったりした~?」
にこにこ笑顔の加藤さんの指摘に、伊藤さんの顔が見る間に赤くなってく。富永先輩は顔色に変化はなくても、ちょっと恥ずかしそうに目を伏せた。
「ん……まぁね。やけ酒飲んだ勢いでまあ……ヤッちゃってさ。身体の相性がすっごく好くて……猿みたいにクリスマス中サカっちゃったんだよね……痛ッ」
「おま、そんな赤裸々に喋るな!」
ますます顔を赤くした伊藤さんが富永先輩の額をデコピンしてたけど、富永先輩は唇を尖らせて「いいじゃん!これくらい」とふて腐れてる。
何でもあけすけでオープン気質の先輩だと、伊藤さんも苦労しそうだな……と苦笑いしながら。やっと先輩にもいい人が見つかったんだな、とちょっぴり羨ましく思いながらも「おめでとうございます」と祝福をした。