クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
一瞬、何を言われたのかわからなくて思考が止まった。にもかかわらず、男性はなぜか自らさっさと服を脱いでいく。何も言わないぶん無言の重圧がすごくて、彼に背中を向けると震える手つきでスーツのジャケットを脱いだ。
(な……なぜいきなり? でも、きっとお風呂に入るだけだ。うん、何もあるはずない)
さっきは私がきちんとお風呂に入っていなかったから、怒った様に感じた。だから、おそらくは使い方を教えて下さるんだ。
(そうだよね……大丈夫。私なんかに本気で手を出す人はいない……)
男性のそばで服を脱いでいると、あの記憶が甦りそうで動きが鈍る。止まりそうな手を叱りつつ、何とかシャツを開いてスカートのホックに手を掛ける。自意識過剰だと思いながら、男性の目が気になって肩越しに振り向く。
彼はこちらなど一切興味がないようで、同じように背中を向けて脱いだシャツを丁寧に畳んでた。
「着替えはここにシャツを置いておくから使いなさい。下着は……ここにある中から選ぶといい」
ハッキリと物を言う人なのに、下着に関する話をした途端に口ごもりがちになって。なんだかちょっと可笑しくなった。
(そういえば……コンビニの店員さんが笑ってたけど。まさか下着まで気にして買っていてくれたなんて)
思ったよりも細かな気遣いに感謝しながらも、きっと眉間にシワを寄せながら店員からの好奇な視線に耐えて買ったんだと思うと。不謹慎ながら可愛らしく感じてしまいました。