クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
三辺さん……
やっぱりその名前が出るんだ、と胸がチクリと痛む。
同じ大学の先輩後輩で同じサークルに居た。それだけでも今の私には羨ましく感じてしまう。
(加藤さんが三辺さんから聞いたというなら、彼女は葛城さんから直に聞いたということ?)
加藤さんは葛城さんの事情にかなり詳しい。本人から聞いたのではない限り、葛城さんとかなり親しい人から聞いたはず。
三辺さんという名前が出たからには、やっぱり彼女は……葛城さんとかなり親密だったということ?
退職前に見た二人のあの距離感は……どう見ても他人や単なる知人じゃなかった。胸がざわざわして、思わず口を突いて出た言葉があった。
「あ、あの……三辺さんは……葛城さんとお付き合いを?」
「ぼくが知る限りでは付き合ってなかったと思うけどね」
私の疑問に加藤さんは即答すると、来た料理をつついて舌鼓を打ってた。
「そんなに気になるなら、三辺さんに直接訊いたら? 彼女なら君を可愛がってたから、カワイイ後輩の為に時間を割いてくれると思うよ」