クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
「うるさい、離れろ。というか別の客の接待に行け」
「相変わらずつれないなぁ~よく加藤や三辺もコイツに付き合ったな~というか俺もか! ハハハ」
からかう笑うユウキさんは、両手を葛城さんの首に回して密着してる。あまりの傍若無人ぶりに、目を疑いたくなった。
「こいつ、一緒にいて疲れない? 無愛想でぜんぜん言葉が足りないでしょ~」
「い……いえ、そんなことは……」
いい年した男性二人が身体を密着してる異様な光景についつい動揺し、声の震えを抑えきれなかった。
「お、もしかして夕夏ちゃん、誤解してない? 俺と智基が出来てるって」
ユウキさんがそう言った瞬間、すごい勢いで花瓶が飛んでくる。ユウキさんは軽くそれをキャッチするけれど……それ、陶器製でものすごく重そうですよ。
「あはは! やっぱり智基は楽しいね~じゃ、これ以上雰囲気を壊さないうちに邪魔者は去るわ」
じゃあね~と爽やかに手を振ってユウキさんは去る……前に。
「あ、避妊具は置いてないから。使うならちゃんと用意してね」
「さっさと行け!」
顔だけ出したユウキさんはとんでもない爆弾発言をすると、あははと愉しそうな笑い声を響かせながら遠ざかっていった。
「……すまん……いつもはあんなハイテンションではない……こともないが」
「いえ……」
葛城さんは心底申し訳なさそうだけれど、なぜかそわそわしだしたと思えば。
「……言っておくが……おれは男色ではないからな」
小さく小さく、ポツリと呟いた。