クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
「ねえ、夕夏さん。智基とはどうなりたいの?」
「え……」
自分の考えに気を取られていて、結花さんの言葉に反応するのが遅れた。 その質問が今までと乖離していたせいもある。
「葛城さんと……ですか?」
「そだよ! 葛城課長と将来どうしたいとか、近くにいるなら夢や希望くらいはあるよね?」
由利先輩に肩を掴まれて、勢い込んで訊かれる。なぜ、そんなに鼻息荒くしているんだろう? やっぱり私の体は……と嫌な予感に思わず俯く。
「……葛城さんの……そばに……できるだけ長く居たいです……でも」
未だ、私は片想い。晶子さんたちみたいに彼に想いを寄せる他の女性と同じ。ただ一緒に暮らして他人から恋人らしく見えても、その実は何の将来性も約束もない。
好きだ、と。私はなるべく彼に伝えてきた。彼に能う限りの愛情を示してきたつもり……でも。
葛城さんからは、私へなんの言葉もない。
好きだ、と……私は何十回も繰り返してるのに。
最近彼は伝えると嬉しそうな顔を見せるようになってきたけれど……それが何の意味を持つんだろう。
まだ、彼は愛を信じられないのかもしれない。でも、何だか疲れてきているのも事実だった。
気長に根気強く……と自分に言い聞かせているけれども。周りがどんどんしあわせになって、取り残されていく寂しさや空虚感は日を追うごとに募ってる。
ひとはひとで自分とは違う、と納得させようとしても。なまじっか好きな人のそばにいられるからか、もしかしたらという虚しい期待をして裏切られる……なんてバカなことを繰り返して。心が疲弊してきてた。