クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
車内で抱き寄せられ、葛城さんの胸に顔を埋める形になる。ゆっくりゆっくり私の背中を撫でていた彼は、ぽつりと……でも、はっきりと言い切った。
「心配するな。おまえがどんな病気だろうが、おれが面倒を見る」
「か、葛城さ……」
ぎゅっと息苦しいくらいに抱きしめられて、じんわりと涙が出たのは……嬉しさからだった。
「おれは、家族というものを知らなかった……だが。おまえがずっとそばにいて教えてくれた……人はこんなにも温かいということを……」
だから、と彼は私を抱きしめたまま少しだけかすれた声で囁く。
「おれは……おまえを失いたくない。どんなに大変だろうと、おまえを受け止め支える覚悟はある」
「……っ」
ぽたり、と落ちた涙は彼に拭われた。
「ほんとうに……いいんですか? わ、私……あなたのそばにいても」
「ああ……。いや、むしろおまえだけだ。おまえでなければおれは誰とも家族になれない」
そして、葛城さんは少しだけ顔を離すと微笑んだ。
「夕夏、おれと家族になろう……いや、家族になってずっとそばにいてくれ」
「……っ……」
夢を、見ていたのだと思ってしまう位に、現実感がなくて。咄嗟に言葉が出てこない。
早く、返事をしたいのに。みっともなくも嗚咽が漏れて、しゃくりあげてしまって……でも。
「いい、焦るな。ゆっくり呼吸をして……落ち着いてからでいい」
どこまでも優しく包み込まれるような眼差しと抱擁に……私は、しあわせの涙を流した。