クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~







「おめでとうございます」


満面の笑顔で女医さんから告げられた言葉に、耳を疑った。


いろいろな検査をされて、しかもなぜかお腹の中を診るエコー検査の最中、「ご主人も中へどうぞ」と葛城さんも招き入れられたから、もしかしなくても重病? と重い気分で診察台に横たわっていた。


診察台のすぐそばに腰かけた葛城さんは、私の不安を和らげるように手を握っていてくれる。ドキドキしながら結果を告げられた時、思わず彼の手を強く握りしめてたけれども。


検査中のエコー画像を見た女医さんからは、まったく予想外の結果を聞かされた。


「現在、妊娠9週目に入っていますね。ここに楕円形の黒い丸がありますが、これが胎嚢(たいのう)と言って、赤ちゃんを包む膜です。うっすら見えるお月様みたいな像が赤ちゃんで……ピクピク動いてるのが心臓ですよ。心音もきちんと確認できますし、順調に育っているようですね」

「……赤ちゃん……が」


まったく想像もしてなかった結果に、頭のなかが真っ白になる。


「先月あった出血と痛みはおそらく、着床時のものですね。受精卵が子宮を傷つけるので、痛みと出血を伴う時が稀にあるんです。この分ならひとまず心配はいりませんよ」


女医さんの説明が、耳を素通りする。


……どうしよう、との思いで頭がいっぱいだった。


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