クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
葛城さんには、家族になりたいと言って貰えた。でも、まさか……子どもができてしまっていたなんて。
正直に言えば、とても嬉しい。愛するひとの子どもを授かったなんて……天にも昇る気持ちだった。
けれども……
私が嬉しくても、葛城さんがそうとは限らない。
以前、葛城さんは子どもについて“これからは必要になるからもっと勉強をしなきゃならないな”と話してた。その時は他のひとと子どもを持つんだ……と悲しくなったけれども。
まさか、こんなにも突然に子どもが出来たなんて。彼にとっても青天の霹靂に違いない。
確かに私たちはそういった行為があった。休みの日はたまに抱き潰されたし、どんなに疲れていても週に三度はしてた……だから。可能性を考えたことはない訳じゃない。
彼を受け入れる以上その覚悟はあったし、もしも授かったらひとりででも産み育てるつもりだった。
もちろん、父親である葛城さんがそんな無責任なことをするとは思えない。けれども、出来たから結婚、なんて結果を強要させたくなかったんだ。
私の手を握りしめた彼の手が震えているのは、きっとショックを受けているんだ……と。そんなふうに考えて、彼の顔を見ることが怖かった。
怒ってる? 呆然としてる? それとも……。
彼の反応を知るのが怖くて、エコー画像を見つめたまま黙っていると。唐突に、手のひらに痛みが走る。
それは、葛城さんが私の手を両手で強く握りしめたからだった。
「夕夏」
「はい……」
遂に、来た。
どくどくと五月蝿いほどに鼓動が速まり、喉がからからに渇くのを感じた。