クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~





「……おれとおまえの子どもだ……ありがとう」

「か、葛城さん……」


恐る恐る顔を上げてみれば、綻んだような笑顔の葛城さんは、信じられないことに瞳を潤ませていた。


「……今、言葉に言い表せない気持ちだ。きっとこれが、しあわせなんだな……」


しみじみと話した後に、葛城さんは私の額に口づけた。


「夕夏、おまえとおれと……生まれてくる子どもと、チョコと。四人で家族になろう」

「か、葛城さん……い、いいんですか?」

「ああ。おれも去年からずっとその覚悟で避妊はしてなかったからな。おまえとの子どもなら……いくらでも愛せる」


そして、葛城さんは私にこう言ってくれた。


「……夕夏、愛してる。おまえが教えてくれた……愛し方と愛され方を。結婚して、みんなで家族になって……みんなでしあわせになろう」

「……っ」


今度こそ本当に、夢を見ているようだった。


慈しむような優しい眼差しの葛城さんの瞳は、確かに愛に溢れていて。


まっすぐに、私に愛を伝えてくれていた。


「……っ、はい……よろしく……お願いします……っ」


胸がいっぱいの私を軽く抱き寄せた葛城さんだけれど。


「……ちょっと恥ずかしいな」


女医さんたちからおめでとうございます、と祝福されて照れ笑いをしてた。


その後車で軽くしたキスは……涙で少しだけしょっぱかったけれども。


今までで一番、しあわせなキスだった。


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