クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
悲しいことだけど、夕貴は弥生さんの視界に入れない方が良いかもしれない。
(本当は……夕貴を認めて欲しいけど。私からの話なんて聞いてくださらないだろうな……)
お会いする度に謝罪して話をしようとしても、さりげなく避けられ視線も合わせてくださらない。頑なな態度は1年経っても和らぐ気配がなくて……時間を掛けるしかないかな、と内心でため息を着いた。
「夕夏、もしかしておれの母のことで悩んでるか?」
「あ……」
智基さんにまで伝わってしまったなんて、と自分の不甲斐なさを反省しながら俯いた。
「……やっぱり……浮気相手の娘は……認められないものですよね……」
葛城さんのお母様だから、別に悪口を言うつもりはないけれども。やっぱり……いつまでも無視されるのは辛いものがある。
私自身はともかく、孫にあたる息子の夕貴にまで悪い影響があるのが申し訳なくて、悲しくなってきてた。
「……母が意地っ張りで頑固なところは、誰かに似てるからな」
つい最近お母様とようやく話せるようになった智基さんは、いきなり夕貴をヒョイと抱き上げると……意外過ぎる行動を取った。
――夕貴を、弥生さんに押し付けるように強引に抱かせたんだ。
「母さん、悪いがちょっとだけ夕貴を預かってくれ」
シレッとした顔でそう告げた彼は、そのままこちらへ戻ってきた。