クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
「智基さん、いいんですか?」
「しっ! 黙って見てろ」
何をされるのかと心配になって詰め寄ったのに、智基さんは私の唇に指を当てて黙らせる。
「心配要らない。見てろ」
「………」
夕貴を強引に抱かされた弥生さんは、しばらく明後日の方へ目を向けていた。
「おい、そのままでは夕貴が危ないだろ……よっと」
弥生さんの関心が孫にないと見たのか、勇人さんが彼女から夕貴を抱き上げたのだけれど。慣れないのか、まるっきり犬か猫のように抱っこしてた。
すると、活発に動く夕貴を支えるには頼りなくて。危ないことに、落としかけた。
「夕貴!」
「あなた!」
私と弥生さんの声が重なったのはほぼ同時に。落とされかけた夕貴は、勇人さんの踏ん張りと……弥生さんのフォローで事なきを得た。
「あなた、そんな抱き方では危ないでしょう。赤子の抱き方はこうですよ」
勇人さんの腕からそっと夕貴を抱き上げた弥生さんは、三児の母である経験からか、的確な抱き方を実践して見せた。
そして……彼女はハッとしたような顔をする。
夕貴が弥生さんの顔に手を伸ばし、ぽふんと頬に触れた後ににっこり笑ったから。