クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~






「……智基さんが」

「わたくしたちや自分のことよりも、智基はあなたのことばかり話してたのよ。おかげでわたくしは、知りたくもないあなたの事情に詳しくなってしまったわ」

「す……すみません……」


一体何を話したのかわからないけれど、恥ずかしくて穴があったら入りたい気持ちだ。軽く睨み付けたのに、智基さんはどこ吹く風で飄々としてた。


「……でも」


そこで一旦話を切った弥生さんは、大きなため息を着いてから言葉を継いだ。


「……母親の罪をあなたが償う必要などないわ。わたくしも……」


ほう、と息を吐いた弥生さんは夕貴を私へと返しながら、僅かにだけど表情を見せた。


「……今度、夕貴を連れて葛城家においでなさい。当家の嫁として、あなたには補わねばならないものが多すぎますから」


つん、と澄ましたような顔だったけれど。弥生さんは確かに私と夕貴を認めてくれたのだ……と知って。涙が出そうなほどに嬉しかった。


「ありがとう……ございます……よろしくお願いします」


また頭を下げようとしたら、弥生さんから止められた。


「ああ、もう。あなたはまだ妊娠初期でしょう。無理はなさらないで! 葛城の血が流れた子を宿してる自覚を持ちなさい」


言い方はきつめだけれど、こちらを思いやって下さっている。そう判る柔和な顔つきで……私は涙が出そうなくらいほっと安堵し、そして嬉しかった。


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