クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
「あれ、加納ちゃん今からお昼休憩?」
「あ、はい」
ソファに横になってたらしい加藤さんが大きなあくびをしながら訊いてきた。相当眠いのか涙が滲んでる。
あ、寝癖発見。私の髪は黒くてコシが強いからか、いつも寝癖がひどくて毎朝苦労してたんだよね。ぴょこん、とひとふさだけ跳ねた寝癖が可愛くて、思わずふふっと笑ってしまってた。
「あ、なになに?なんか面白いものでもあった?」
「頭のてっぺんに寝癖がついてますよ」
分かりやすく示すため、自分の頭の髪の毛を摘まんでみせれば、マジか~! と加藤さんは乗り出した身体を仰け反らせた。
「僕、寝癖なかなかガンコで取れないんだよ~どうしよ」
「水でちょっと濡らせば直りますよ」
「あ、そうか! さっそく試してみる。Thanks!」
善は急げとばかりに立ち上がった加藤さんは、そうそう! と両手を叩いてこちらを見た。
「あ、そだ。加納ちゃん明日の夜はヒマ?」
「え、あ……はい」
急いで食べようとお弁当のフタを開いたところで、なぜ予定を訊かれるんだろうと疑問を感じたけれど。次の発言に驚いて思わず箸を落とした。
「明日、加納ちゃんの歓迎会だから。ちゃんと空けといてね。それじゃあ!」