クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
浅い呼吸を繰り返す私に、葛城さんは軽いキスを落とす。広げた足を揃えて腰と膝裏に腕を回し抱き上げた彼は、数歩だけ進んで私をそっと横たわらせた。ノリが効いた清潔な感触と軋んだ柔らかさに、ここはベッドの上だと理解する。
「怖いか?」
葛城さんの問いかけに、私ははいもいいえも言えなくて。ただ覆い被さる彼の顔を見上げた。
これから、決定的なことが起きる。自分が変わりそうな恐れや未知への怖さもあるけれど……。
これまで葛城さんに与えられた熱と、それからクラスメートが話してた言葉がそれ以上進む後押しをする。
“すごいしあわせだった”――と。
頬を紅潮させながら話すクラスメートは、ほんとうにしあわせそうに見えた。
――知りたい。
その先に、何があるのか。
ほんとうに、しあわせなのか。
物語にあるようなものなのか。
だから私は、彼に向けて首を横に振って彼を求めるように手を伸ばす。葛城さんはそれに気付いたか、私の手を取って甲に口づけた。
「もう、止めないからな」
「……はい」
幾度めかの問いは最終確認で。覚悟を決めた身体からあっという間に服と下着が取り去られ、一糸まとわぬ姿にさせられた。