クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
いつも通りにチョコを佐藤さんご夫婦に預けに行くと、どうやら奥さんが風邪をひいてしまってる様子。
さすがに体調が悪い方に頼むのは申し訳ないし、いろいろと心配になってしまう。
「大丈夫ですか?チョコならペットホテルにでも預けますから、無理なさらないでくださいね」
「いえ、ちょっと咳がひどいだけだから。ダンナもいますし、お世話はできますよ。それに、まだまだ小さいチョコちゃんを知らない環境に連れていくのは可哀想ですよ。ね、あなた」
「……そうだな」
普段は寡黙な旦那さんまでもがチョコをしっかりお世話してくれる、と請け負って下さる。
正直言えばありがたい……でも、本当に良いのかな? 奥さんの体調を考えたら負担にならないのかな? と心配してると、奥さんがにっこり笑う。
「これくらいでお世話を止めるなんていい加減な気持ちでは、どんな生き物も飼えないですよ。子育てと一緒です。
一生面倒を見る中でよくあることですから。遠慮なんてなさらずにいてくださいね」
そこまで言い切られてしまっては、頭を下げてお願いしますと言うしかない。本当にお二人には頭が下がる思いでいると、旦那さんのお腹が盛大に鳴った。
お二人とも顔を赤らめて、朝ごはんはまだとおっしゃるから。ふと思い付いて一度アパートに戻り、お昼に作ったもののあまりを差し入れしておいた。