君にまっすぐ
自分では同じつもりだった。
黒オルディが一番好きではあるが、めったにお目にかかれない白オルディに対しても同じようなテンションで車を見つめていた、はずだった。
今は黒オルディを拝めないから、テンションが上がりきれず白オルディを見る目が違っているのかもしれない。
しかし、あの田中が言ったのだ。
違う、と。
初めは確実にオルディしか見ていなかった。
孝俊は女性がコロコロと変わる軽い人という認識でしかなかった。
しかし、いつの間にか変わっていることに気づく。
オルディに乗っている孝俊さん、から孝俊さんの乗るオルディ、へと。
涙が出た。
仕事中は田中の言ったことを考えないようにしていた。
そして、今部屋に戻って一人きりで考えている。
好きになってはいけない人だと無理矢理に自分の気持ちに制御をかけて気付かないふりをしてきた。
気付かないふりをしている時点で好きだと認めたようなものなのに。
この気持ちが芽生えたのは孝俊に婚約者がいると聞いた時だ。
まだ育っていないと思っていたから、見ないふり気付かないふりをしても平気だと思った。
でも、芽が出た時点でそれは種の栄養分を使って大きく成長しようとぐんぐん伸びていくのだ。
自覚してしまった今はもう水もやらずに枯れるのを待つしかない。
枯れて地に朽ちて、菌に分解されて風化するまで。
枯れていくのを待つしかないこの自分の気持ちを供養するようにその日は泣き続けた。
黒オルディが一番好きではあるが、めったにお目にかかれない白オルディに対しても同じようなテンションで車を見つめていた、はずだった。
今は黒オルディを拝めないから、テンションが上がりきれず白オルディを見る目が違っているのかもしれない。
しかし、あの田中が言ったのだ。
違う、と。
初めは確実にオルディしか見ていなかった。
孝俊は女性がコロコロと変わる軽い人という認識でしかなかった。
しかし、いつの間にか変わっていることに気づく。
オルディに乗っている孝俊さん、から孝俊さんの乗るオルディ、へと。
涙が出た。
仕事中は田中の言ったことを考えないようにしていた。
そして、今部屋に戻って一人きりで考えている。
好きになってはいけない人だと無理矢理に自分の気持ちに制御をかけて気付かないふりをしてきた。
気付かないふりをしている時点で好きだと認めたようなものなのに。
この気持ちが芽生えたのは孝俊に婚約者がいると聞いた時だ。
まだ育っていないと思っていたから、見ないふり気付かないふりをしても平気だと思った。
でも、芽が出た時点でそれは種の栄養分を使って大きく成長しようとぐんぐん伸びていくのだ。
自覚してしまった今はもう水もやらずに枯れるのを待つしかない。
枯れて地に朽ちて、菌に分解されて風化するまで。
枯れていくのを待つしかないこの自分の気持ちを供養するようにその日は泣き続けた。