君にまっすぐ
翌朝、腫れた目で鏡を見る。

今日が休みでよかった。

冷凍庫から保冷剤を出してタオルで巻き、まぶたの上においてまたベッドに横になる。
こんなに泣いたのは久しぶりだ。
今日は外には出られないなと思いながら、冷蔵庫に入っているものを思い浮かべ、あかりは再び寝不足を解消するように眠りについた。

着信の音で目が覚める。
ちょうどお昼だ。
昼まで寝るなんていつぶりだろうと思いながら、届いたメールに目を通す。

『元気か?
 今週の金曜か土曜、空いてるか?
 話したいこともあるし会って飲もうぜ。』

賢介からだった。
賢介と会うようになってからもう2ヶ月近く経っている。
そろそろ結論を出す時かもしれない。
いや、私の気持ちは昨日結論が出てしまった。
きっと賢介も薄々気付いているはずだ。

『今週は土曜が休みだから、金曜かな。
 いつもの店に7時でいい?』

『おう。
 自分の気持ち、整理してこいよ。』

ふふっ。
やっぱりバレバレか。

一緒にいて落ち着いて安らげる賢介。
あかりの理想の結婚相手だ。
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