次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
だから、その暮らしの中で誰かを好きになっても、認めちゃいけない気持ちを抱えてしまっていても、それを悔やんだりしない。後悔したりしない。

「良かったわ」

ほっとしたように頷いたお祖母様が、気に入った一枚を手に取るのを見ながら、強く思う。

この人達が望んでくれる幸せを掴もう。たとえそれが私の望んだものと違っても。政略結婚だろうが一族の駒だろうが、この人達が私の幸せを願わないはずがないのだから。






















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