次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
こくんと唾を飲み込んで、口を開いたけど、声がかすれてしまった。ちゃんと誤魔化さないと、駿介が真実を口にしてしまうのに!

「夏希さんは迷ってたよ。自分の口から、こんな大事なことを話していいのかって。でも俺の気持ちを伝えて、納得してもらった。その方が文香の幸せの為になるって。それで昨夜はミナトさんを紹介してもらって、彼女からも話を聞いてきた。ワザとじゃなかったんだよな?最初は俺が勘違いしただけで」

「違う!違うの、駿介、私は‥‥」

「俺が好きだって、認めろよ。文香。」

焦って、身を乗り出して、つき続けようとした嘘は、駿介の落とした言葉に、木っ端微塵に吹き飛ばされてしまった。

「認めろ。お前は俺が、俺しか好きじゃないんだ」

「ちがっ‥‥‥んっ!」

ふるふると首を振ってした否定は、突然押し付けられた唇に簡単に止められてしまう。そのまま、啄む唇に意識を奪われている間に、身体ごとすっぽりと駿介に包まれて、身動きが取れなくなる。

「諦めろ。お前が惚れた男は、惚れた女を諦めも手放しもしない」
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