次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
「あ、ご飯、だね?」

「ああ、ちょっと待ってろ」

ドアに向かう駿介の背中をじっと見送る。

覚えておこう、この朝の何もかも。そして、今度こそ駿介から距離を置こう。彼が相応しい相手と幸せな結婚をする為に。



⌘ ⌘ ⌘



朝食の後、駿介が何件か電話をかけるのを見ながら身支度を整える。スケジュールでは、週末に予定はなかったはずだが、何か、急ぎの留守番電話でも入っていたのかもしれない。

「駿介、大丈夫?」

「ん?何がだ?」

「あちこちに電話してるから。私といる間に、何かトラブルでも起こったのかと思って」

「ああ、大丈夫だ。あ、いや、大丈夫じゃないな。急ぎの案件だ、行くぞ」

「え、私も?」

「当然」
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