冷淡なる薔薇の王子と甘美な誘惑
「さ、左様でございますか……?」
「レティシアにもこれを伝えれば、苦しむ心を少しでも癒してあげられるかもしれないな」
フィリーナから目を離し、青の空へと視線を投げるグレイスのその先には、きっと愛しいレティシア姫の姿が見えているのだろうか。
密かに二人で持ち寄っている愛は、哀しい結末を迎えてしまうことがさだめられている。
そんな苦しさの中でも、ほんの一縷の絆は美しくかけがえのないものに思える。
――グレイス様は、とても純粋な心をお持ちだわ。
その健気な姿に、胸がチクチクとした痛みを感じるのは、二人の苦しみがひしひしと伝わってくるからだけ、なのだろうか。
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「レティシアにもこれを伝えれば、苦しむ心を少しでも癒してあげられるかもしれないな」
フィリーナから目を離し、青の空へと視線を投げるグレイスのその先には、きっと愛しいレティシア姫の姿が見えているのだろうか。
密かに二人で持ち寄っている愛は、哀しい結末を迎えてしまうことがさだめられている。
そんな苦しさの中でも、ほんの一縷の絆は美しくかけがえのないものに思える。
――グレイス様は、とても純粋な心をお持ちだわ。
その健気な姿に、胸がチクチクとした痛みを感じるのは、二人の苦しみがひしひしと伝わってくるからだけ、なのだろうか。
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