現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
「はい。同期から聞いて……。本当、なんですか?」

「……ああ」

落ち着いてはいるけれど、その顔は寂しげでもある。
だけど、私の質問にきちんと答えてくれそうな様子に、少しホッとする。


彼は続ける。

「友だちの紹介で知り合った彼女だったんだけどね、最初はごく普通に付き合ってたんだよ。
でも、付き合い始めてしばらくして、彼女は自分の仕事がうまくいかなくなって。
それがキッカケで、親ともケンカが絶えなくなったみたいで、友人にも当たって、彼女の周りには、だんだんと誰も集まらなくなってしまった。俺を除いては」

「志木さんは、彼女さんの味方だったんですね?」

「彼氏だったからね。
でも……その頃から彼女は俺に依存してきて。俺に時間がある時は常に側にいてやらないと泣きわめいて大変だったんだ。依存であり、束縛でもあったね。
……仕方ないとは思っていたんだ。誰だってひとりにはなりたくない。誰かに側にいてほしい。そう願うのは当然のことだ。
だけど俺は……その子とこれ以上恋人関係を続けるのは無理だと思った。
がんばろうと思った。
だけど……がんばって付き合う、といあのも失礼な気がしたんだ。
だから……友だちとして側にはい続けるけど、恋人関係は解消したいと伝えたんだ。
今思えば、それこそ失礼なことだったと思うけど……」

私は首を横に振った。
なにが正解かはわからないけれど、志木さんの選択はきっと、間違ってはいなかったと思う。
彼女のために、志木さんが自分の気持ちにウソをついて苦しむ必要はない。
恋人関係を解消しても、志木さんは彼女の側で彼女を支えていこうと思った。とても、やさしい人だと感じた。
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