現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
「なんかさりげなく、私の質問の内容が変わっているんだけど。
でもそれ……悪くはない」

「でしょ? 本命への恋心は、相手にも周囲にもバレちゃいけないから、どうしても女性というカムフラージュが必要なのよ」

「それが私ってわけね。オーケーオーケー」

と、これまで真面目に話していたはずなのに、つい腐女子思考に走ってしまった。すぐに我に返って自己嫌悪に陥る。私ってば……! こんなだから、ちゃんとした恋愛ができないんじゃないの?


「ごめんごめん。私が悪かったから、そんな落ちこまないで」

俯いて黙りこんだ私に、リンゴさんがそう声をかける。


……とにかく、志木さんとちゃんと話そう。ちゃんと謝ろう。そのうえで、できるならば志木さんの気持ちを彼の口から聞きたい。

家に帰ったらLINEを送って……いや、大事なことだから直接話した方がいい気がする。


明日。顔を合わせて、しっかりと話し合おう。それが一番いいよね。


そういえば食べかけだったチーズケーキを、口に運んだ。なぜか、味があまりわからなかった。
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