現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
翌日。

私は志木さんに謝るつもりで、朝から緊張して不安でいっぱいだった。

許してもらえなかったらどうしよう。嫌われていたらどうしよう。

それでも。たとえそうだとしても、今はとにかく彼と話したかった。


朝、いつもより気持ち早く営業室に着いた。
志木さんはすでに自身のデスクでいつも通り仕事をしていた。


牧原さんと香島くんはまだしばらく出勤してこない時間だ。代理も、今日は確か午前休で出勤は午後からだったはず。


今がチャンスなのかもしれない。

私はゆっくりと志木さんに近づき、
「お、はようございます」
とあいさつする。

少し、声が裏返ってしまった。変なふうに思われただろうか。でも、思っていたよりは明るくあいさつすることができた。


……だけど、彼は。



「……」


……チラ、と私のことを横目で見て、だけど、なにも言わずに視線をパソコンに戻す。


無視、された。




ウソでしょう。だいぶショックだ。怒られても言い返されてもかまわないと思っていた。だけど、まさか無視されるなんて。

そりゃあ、元はといえば私が悪いんだけど……でも、ひどいよ……。


泣きそうになるのを堪えながら、私は自分の席に着いた。
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