現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
「沙代……」

志木さんは気まずそうな顔で私を見ている。
やめてよ、そんな顔しないでよ……。

そんな顔されたら、志木さんの気持ちの移り変わりを、嫌でも感じてしまうよ……。



「……っ」

私はその場から走り去った。人ごみに紛れるのもかまわずに。むしろ、紛れてしまいたかった。


うっすらと、背後から志木さんが私のことを呼ぶ声が聞こえた気がしたけれど……きっと、気のせいだろう。


志木さんはもう、私のことなんてどうでもいいはずだから。
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