現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
書庫室の中は薄暗く、志木さんは入り口の壁スイッチをONにした。
電気が点いていなかった時点でわかっていたけど、書庫室の中には誰もいなかった。
電気が点いて明るくなった書庫室の中にふたりで入ると、志木さんは戸を閉め、なぜかガチャッと鍵まで締めた。ちょ、なんだって言うんだ。


「ネカフェに泊まるってなに」

ふたりきりの空間で、私と向き合った志木さんはそんなことを尋ねてくる。


「えーと……かくかくしかじかで」

状況を説明すると、志木さんは無表情で「ふーん」と答えた。

そして、私たちの間にしばらく無言の時間が続く。

その時間がやけに長く感じる。こんな場所に呼び出してまで彼がなにを言おうとしているのかわからなくて緊張でドキドキするし。


すると、志木さんが私の目をじっと見つめながら口を開く。



「俺の家に来な」

「え?」

私は思わず間抜けな声を出して、じっと志木さんを見つめ返す。

だ、だって。
え? 家に来いって言った? 私が志木さんの家に行くの?


「恋人同士なんだから、家に泊まったってなにもおかしくないだろ?」


あぁ、そうだよね。全然おかしくないよね。むしろ自然だよね。ちょうど金曜日だしね。


よし、じゃあ今夜は志木さんの家にーー……



「って、オイオイオイ」

自分に対してか、志木さんに対してかはわからないけれど。いや、おそらく両方に対して、私は思わずツッコミの言葉を口にした。
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